Tuesday, July 05, 2016 11:15 AM
米データ・センター大手、省電力化に貢献〜今後は中小業者の努力が課題に
米国立ローレンス・バークリー研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)は、米データ・センターが消費する電力量が5年ごとに倍増するという見方を2008年に発表した。実情はどうなのだろうか。
フォーチュン誌によると、同研究所の予想が正しければ、データ・センターによる電力消費量は現時点で米国の電力消費全体の2%に達する計算になる。
同研究所が最近発表した報告書によると、データ・センターが2014年に消費した電力量は700億キロワット時で、米電力消費量全体の1.8%だったが、その量は2010年からわずか4%しか増えていないことが判明した。
データ・センターの電力消費量は2000〜2005年に90%増を記録しあと2005〜2010年にかけて減少したため、2000〜2010年でみると24%の増加となる。
同研究所では、2014〜2020年におけるデータ・センターの電力消費量を4%増と予想していることから、データ・センターの省電力化は劇的に成功することになる。
省電力化の背景には、グーグルやフェイスブックのような巨大IT企業による積極的な取り組みがある。それらの大手は、最新の電力管理ソフトウェアを導入し、サーバーの使用状況によって電力消費量を最適化している。さらに、サーバーの数を減らす一方で、冷房の代わりに外気を活用する省電力設計を進化させ実用化してきた。
ローレンス・バークリー研究所はまた、そういった省電力化努力が過去10年間におよそ600億ドル相当のコスト削減につながったと見積もっている。
ただ、データ・センターの省電力化を進めているのは、インターネット大手ばかりで、中小のデータ・センター業者はそれほど熱心ではない。同研究所によると、データ・センターが消費する電力量の60%は、2020年には中小によって占められるとみられる。