Tuesday, January 17, 2017 10:32 AM

工員の代わりとしての人工知能乱用に警告

 人工知能の業務活用は昨今、顧客サービスから医療診断、消費者動向分析、自動運転車まで多くの分野に広がっているが、マイクロソフト(Microsoft)のサティア・ナデラCEOはこのほど、ミュンヘンで開かれたデジタル・ライフ・デザイン会議の席上、人工知能の乱用によって人間の労働力を機械に置き換えることに関して警告した。

 マイクロソフトは、人工知能開発に注力する技術大手の一つで、「2017年と2018年は、人工知能の民主化にとってカギとなる」「すべての開発者や会社が人工知能製品を使うようになるだろう」とナデラ氏は述べた。

 ホット・ハードウェア誌によると、ナデラ氏はその一方で、人工知能を搭載した産業用ロボットを製造コスト削減のために工員の代わりに大々的に導入することに関しては、人間の尊厳を傷つけるという観点から反対する考えを示した。付加価値の高い仕事を補佐するための応用方法が望ましいというのが同氏の見解だ。

 マイクロソフトのホロレンズ(HoloLens)は、整備士の訓練を目的に航空機エンジンをシミュレートするために日本航空で採用され、また、マクドナルドでは、注文処理システムにマイクロソフトの人工知能技術を使っている。

 マイクロソフトは、同社の人工知能ツールを開発者たちが簡単に使えるようにすることで、あらゆる業界の企業が独自のインテリジェンスを創造できるようにするプラットフォームの開発に注力する方針だ。

http://hothardware.com/news/microsoft-ceo-nadella-cautions-against-wielding-ai-as-human-replacement