Tuesday, January 31, 2017 9:47 AM

世界の水素補給所、15年後も5000カ所未満?

 燃料電池車(FCV)の普及には水素燃料の補給ステーションが大幅に増える必要があるが、これらのインフラは15年後もそれほど増えないという予想を、市場調査のインフォメーション・トレンズ(Information Trends、ワシントンDC)が発表した。

 グリーンカー・リポーツによると、電池式電気自動車(EV)も同様にインフラ不足に直面しているが、施設の建設はEVの方がはるかに安く簡単で、電源も既存の給電網(グリッド)を利用できる。これに対し水素補給ステーションは高価で、水素をどこから供給するかという問題もある。

 インフォメーション・トレンズの報告書は、世界の施設数は2016年の285カ所から32年には4808カ所になり、米国では17年末までに78カ所、22年までに197カ所、32年までに1208カ所までしか増えないと予想している。エネルギー省の代替燃料情報センターによると、現在米国には公共の水素ステーションが33カ所あり、その大半は国内で唯一FCVが販売されているカリフォルニアに集中している。

 現在販売されているFCVは、ホンダの「クラリティ・フュエルセル」、現代自動車の「ツーソン・フュエルセル」、トヨタの「ミライ」。加州は20年までにステーションを100カ所に広げるための財源を確保する予定だが、FCVの販売台数は当面、インフラの規模に応じた数にとどまる可能性が高い。

 国外では、現在デンマークが世界最大のインフラ・ネットワークを持っているものの、向こう6年間に400カ所増やす予定のドイツが近くこれを抜く見通し。