Monday, March 27, 2017 11:21 AM

SAPアリバ、ブロックチェーンを導入へ〜エヴァーレッジャーと提携

 SAP傘下のSAPアリバ(SAP Ariba)は、同社のクラウド基盤アプリケーションと顧客の取り引き網にブロックチェーン(blockchain)技術を活用する計画を明らかにした。

 ブロックチェーンとは、分散型台帳または分散型台帳通信網と言われる暗号化データ管理技術。通信網上の情報を同期してオンライン経由での取り引き記録を安全に確保および保存できるようにする。仮想通貨ビットコインの土台になっている技術として知られる。

 SAPアリバのジョー・フォックス事業開発および戦略担当上席副社長は、同社のアプリケーションと顧客の取り引き網にブロックチェーン技術を組み込むことで、「調達から決済まで、よりスマートで高速、かつ可視性のある供給網を構築できる」とその狙いを説明した。

 SAPアリバは、調達および供給網向けブロックチェーンの最初の応用方法として、製品出荷における前中後の追跡を想定している。

 業界専門家によると、ブロックチェーンの分散型台帳機能によって、買い手と売り手は製品出荷から受領までの製品の動きを確実に把握し、結果的に不正リスクを減らすことができる。

 SAPアリバはまた、ブロックチェーン導入にともない、ロンドンのフィンテック企業エヴァーレッジャー(Everledger)の技術を自社の事業網に統合する。

 フィンテック(fintech)とは、ファイナンシャルとテクノロジーの2語を合体させた造語で、金融業務向けの技術やソリューションを意味する。

 エヴァーレッジャーは、ダイアモンドといった高価品の特徴を認識し、ブロックチェーンで保管される資産のデジタル指紋を作成する企業。

 デジタル指紋には、物品の歴史や運搬、所有者といった情報が含まれる。世界的供給網に関与する利害関係者らが物品の本物性を確認するために必要となる。

http://finance.yahoo.com/news/sap-ariba-gets-blockchain-game-160000056.html