Tuesday, March 28, 2017 10:38 AM

ハリウッド映画、16年は海外で収入伸びず

 米国の映画業界は過去10年間の成長のほとんどを海外に依存してきたが、2016年は伸びが止まった。

 ニューヨーク・タイムズによると、16年のハリウッド映画興行収入は日本やブラジルで伸びたものの、ドイツ(13%減)、英国(10%減)、メキシコ(15%減)などの大幅な落ち込みを補うには至らず、海外全体では前年比横ばいとなった。

 06年と比較すると、16年は米国とカナダが20%増加の114億ドルだったのに対し、海外は67%増の272億ドルだった。

 中国はこの10年間に前年比14%増を記録した年もあったが、16年は横ばいだった。伸び悩んだ背景には劇場での不正(録画など)の取り締まり、チケットに対する補助金の減少、消費者の目が肥えた…などいくつかの要因がある。中国の外国映画枠は年間34本で、米国の映画会社は中国で公開を許可される作品の数を増やそうとしている。

 米国映画協会(MPA)や米国劇場所有者協会(NATO)によると、外国の成長を阻害している最大の要因はドル高で、 NATOのジョン・フィシアン会長は「為替の問題につきると思う」と話した。

 16年は北米が2%増加したため、世界全体で見ると興行収入は1%増の386億ドルになった。国内は減少するとの見方もあっただけに、フィシアン会長は「大きな成果」と強調した。ただし米国とカナダの観客動員数は横ばいの13億2000万人で、値上げなどが売り上げ増につながった。

 業界にとって16年の朗報は、月に1回以上劇場に行く18〜24歳の映画ファンの数が26%も増えて720万人を記録したこと。音響、スクリーン、座席オプションなどの改善が寄与したとみられる。