Wednesday, March 29, 2017 10:58 AM

触覚持つ人工皮膚できるか〜グラフィン使い電力を供給

 太陽光発電で人工皮膚に電力を供給する方法を、英グラスゴー大学の研究チームが開発した。機械的な動きに加え、触覚を持つ義肢やロボットの開発につながる技術として期待される。

 ロイター通信によると、世界では多くの研究者が、物に触れた時に触感を認識できる柔軟な人工皮膚の開発に取り組んでいるが、触覚を与えるには電子で動く装置が必要で、装置を動かすには電源が必要になる。

 グラスゴー大学工学部の研究者らが開発したのは、超薄型の炭素グラフィンを使った太陽光発電技術。グラフィンは厚さが炭素原子1個分しかなく、強くて柔軟で電導性があり、透明なため、太陽エネルギーを集めるのに理想的だという。

 電子義手は、すでに人間の手が持つ機械的な動きの多くを再現できるが、これに皮膚と同じ触覚も加われば患者はもっと楽になる。触覚を持った電子皮膚はロボットの機能向上にも活用でき、人間とのやりとりで機械が潜在的な危険を検知することにも役立つ。

 研究チームの次の目標は、同様の技術を使って義手を動かすモーターに電力を供給すること。研究者の1人ラビンダー・ダヒヤ氏は、「これによって完全にエネルギー自律型の義肢を作ることが可能になる」と話している。