Thursday, April 06, 2017 11:00 AM

悪名高い米医療保険に一筋の光

 米国は、高額の医療費と医療保険で悪名高い。さらに、高い保険料で加入した医療保険が適用されないことが非常に多いということも悪評に拍車をかけている。

 そういった課題の一部を解消しようと狙う新興企業のエマージ・ドット・ミー(Emerge.me、マイアミ拠点)は、新たなオンライン・サービスを立ち上げたことで関心を集めている。

 米国の一般的な医療保険では、救急医療や特殊な治療法および術式、交通費(たとえば救急車)が保険対象から除外される場合が多い。また、保険に入る手続きや加入後の保険金申請もかなり面倒だ。

 マイアミ・ヘラルド紙によると、エマージは、利用者がオンライン上で保険商品を比較して、自身の必要性に合致した商品を選んで簡単に購入できるオンライン・サービスを構築した。

 同社は、2016年12月に起業する前の約1年間をかけて独自のアルゴリズムを開発し、各種のオンライン・ツールによって、保険適用対象や月々の掛け金、助言を可能にして、わずか15分で加入申請手続きを完了できるサービスを実現した。消費者の特定した要件と保険商品を合致させる巨大なアルゴリズムだ。

 同社は現在、2分野の保険商品を対象としている。一つは、がんや心臓発作、脳梗塞といった高度医療の必要な突発的発症疾患を対象としたもの。もう一つは、事故によるけがを対象としたもの。同社は今後、入院や一時的な労働不能を対象とした保険商品もあつかう計画。

 同社のサービスは現在、全米50州での事業許可を取得した。同社のサービスに参加する保険会社には、ユナイテッド・ヘルス・ワン/ゴールデン・ルール、ミューチュアル・オブ・オマハ(Mutual of Omaha)、アシュリティー(Assurity)、マンハッタン・ライフ、シュアブリッジ(SureBridge)がある。

 エマージはこれまでに、創設者のウェス・トンプソン氏の自己資金や個人投資家から計180万ドルを集めた。同社はまた、転換社債によって2018年6月までに40万ドルを調達する計画だ。

http://www.miamiherald.com/news/business/biz-monday/article142123609.html