Wednesday, June 07, 2017 10:38 AM

インテル、グラフ分析をダーパと開発へ

 インテル(Intel)は、米国防省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency=DARPA、ダーパ)のハイヴ(HIVE=Hierarchical Identify Verify Exploit)策の一環として、「グラフ分析(graph analytics)」をダーパと共同開発する。

 ダーパ・ハイヴとは、逐次生成されるグラフを既存の演算処理技術より低い出力と1000倍の性能で分析するプロセッサーの構築を試みる取り組み。データの関係性や洞察を短時間で導き出す演算システムの基盤となる技術の開発を目指すものだ。

 ITP誌によると、ダーパのマイクロシステムズ技術局(MTO)では、グラフ分析の性能を高めるために1ワットあたりのパフォーマンスを1000倍に高める革新技術を開発するためにハイヴを立ち上げ、その協業先としてインテルを選んだ。

 従来のデータ分析手法では、「1対1」か「1対多数」の関係性を解明する分析ツール群が主流だが、グラフ分析は、「多数対多数」のデータ関係性を演算するアルゴリズムを使って処理する。

 一部の小さなグラフは、洞察内容の視覚化が可能だが、複雑かつ大規模のデータ・セットにもとづくグラフはきわめて巨大で、グラフの意味を視覚化するのに大型の高性能電算システムと長い分析時間を必要とする。

 たとえば、アマゾンのオンライン販売やアップルのアイチューンズの検索データの意味(洞察内容)を視覚化するには、莫大な費用と巨大な電算力が要求される。それを低コストで迅速に実現させようというのがインテルとダーパ・ハイヴの狙いだ。

 インテルはそれに向けて、データ・センター・グループとプラットフォーム工学グループ、そしてインテル・ラブズ(Intel Labs)部門を協業させ、ハードウェアを共同で設計する。インテルとダーパ・ハイヴはその成果をたたき台として共同開発に進む計画。

 インテルとダーパの契約期間は4年半、費用は1億ドルという巨額だ。

http://www.itp.net/613130-intel-to-work-with-darpa-on-graph-analytics