Friday, August 11, 2017 10:22 AM

送電網拡張の代わりとして蓄電システムを設置へ

 アリゾナ州の公益会社アリゾナ・パブリック・サービス(APS=Arizona Public Service)は、州内の遠隔地に送電網を拡張する代わりに蓄電システムを新設することを決めた。

 エレクトリック・ライト&パワー誌によると、APSは2017年秋以降に、ガイラ郡パンキン・センターに4メガワット時の蓄電池2台を設置する。公益会社が送電網拡張の代替策として蓄電池の設置を選んだ例は全米でもまれだ。

 「APSは、向こう15年間にわたり500メガワットの蓄電容量を設置する計画だ。同事業は、APSが考えているスマート送電網の方向性を示している」と、APSの送配電技術責任者スコット・ボーデンカーチャー氏は説明する。

 APSは、太陽光発電の余剰電力を蓄電する目的では蓄電池をすでに使っているが、同事業では基礎的送電網の機能を果たすという点が特異だ。

 パンキン・センターは成長中の地域社会で、フェニックスから車で約90分の場所に位置する。住民数は約600人。

 APSは、パンキン・センターに送電するために、苛酷な環境の土地に20マイルにわたって送電網を敷く必要性に迫られていた。しかし、調査の結果、蓄電設備を設置したほうが、送電網の敷設と同じコストで付加的な利点を実現できることがわかった。

 「蓄電技術の価格は下がりつつある。先のことを考えて蓄電池を設置することは、将来の成功のカギを握ることにつながる。都市部から遠いパンキン・センターのような地域社会は、蓄電技術が恩恵と利点をもたらす好例だ」と、ボーデンカーチャー氏は述べた。

 設置される蓄電池は、今後5〜10年にわたって電力需要が拡大するのにあわせて容量を拡張できる。当初の2台の蓄電装置は、2018年初めに運用開始となる見通し。

http://www.elp.com/articles/2017/08/arizona-public-service-using-energy-storage-to-replace-t-d-in-rural-project.html