Friday, November 10, 2017 11:35 AM

ハーマン、8年以内に販売3倍増が目標

 音響機器大手ハーマン・インターナショナル・インダストリーズは、アマゾン、グーグル、マイクロソフトおよび親会社のサムスンといったテクノロジー大手との提携などにより、2025年までに年間売上高を3倍近くに伸ばしたいと考えている。

 ロイター通信によると、新任のディネシュ・パリウォルCEOは、ベルリンで開催された国際消費者家電展「IFA2017」でのインタビューで「内部成長とボルトオン買収(既存事業の補完的買収)を組み合わせ、8年以内に事業規模を現在の約73億ドルから200億ドルにするという社内目標を定めた」と語った。

 具体的な買収対象は明らかにしてないが、人工知能(AI)、音声認識、機械学習、モノのインターネット(IoT)といった分野が対象になる可能性があるという。消費者向けオーディオ、業務用オーディオ、車載オーディオと部品サプライという事業の3本柱を強化するのが目的。

 サムスン電子に80億ドルで買収されてから6カ月が経過した今、ハーマンは独自の戦略と親会社からの強い独立性を保つ意向を示している。同社はIFAで、グーグル・ホームやアマゾンの音声認識デジタル・アシスタント「アレクサ」に対応可能な新しいスピーカーを発表したほか、マイクロソフトが17年内に発売を予定している音声起動アシスタント「コルタナ」のボイスコマンドで動くスピーカーの実演なども行った。

 パリウォルCEOは長期的戦略について「優れた商品を提供するため、常に疑問を持つこと。人々は選択肢を求めており、音質は犠牲にしたくないと思っている。そこがハーマンの出番」と話した。こうした音声起動商品は、音楽システムや照明の操作、冗談を言う、警備システムの起動などができ、スマホやコンピュータのキーボードに指示をタイプ入力することなく、IoTにつながることができる。

 ハーマンは、サムスンのAI音声アシスタント「ビクスビー(Bixby)」を高度で知的な世界最高級のスピーカーとともに提供するための取り組みも進めている。