Wednesday, December 20, 2017 11:05 AM

ガソリン車の燃費、EVに並ぶにはもっと改善必要

 米国でガソリンエンジン車の温室効果ガス(GHG)排出量を電気自動車(EV)より少なくするには、平均燃費を55.4マイル/ガロン(mpg)まで改善する必要があるという調査結果を、ミシガン大学交通研究所(UMTRI)が発表した。

 デトロイト・フリー・プレスによると、UMTRIは、電気やガソリンを作る工程や原材料輸送の環境影響まで考慮して、バッテリー式の完全EVとガソリン車のGHG排出量を比較した。エネルギー省と環境保護局(EPA)によると、米国で最も燃費の良い小型ガソリン車は「フォード・フィエスタSFE」と「トヨタ・ヤリスiA」だが、市街地と高速道路を合わせた総合燃費は35mpgとなっており、EVと並ぶにはまだ格段に数値が低い。

 EVとガソリン車のGHG排出量の差は、EVのバッテリー充電に使われる電気がどうやって生産されるかで大きく異なる。石炭や石油が多く使われている地域では、水力発電中心の地域に比べ発電に伴う二酸化炭素(CO2)排出量が多いからだ。

 UMTRIの研究者が143カ国のデータを比べたところ、ガソリン車のGHG排出量がEVの水準に最も遠い国は、すべての電力が水力発電で作られているアルバニアで、反対に最も近かったのは石炭と石油のみで発電しているジブラルタルとボツワナだった。

 UMTRIの研究では、憂慮する科学者同盟(UCS)と国際エネルギー機関(IEA)のデータが使われた。車両生産の環境影響は考慮していないが、UCSによると、中型の完全EVは同等のガソリン車より生産時のGHG排出量が15%多く、バッテリーパックもより大きな大型EVでは68%も多くなるという。