Tuesday, February 06, 2018 11:11 AM

AEB搭載率、17年型車は19%〜22年までに標準搭載へ

 2017年に米国で販売された新車のうち、自動緊急ブレーキ(AEB)が搭載されていた車は全体の19%にとどまった。

 ロイター通信によると、AEBは多くの交通事故死を防げると考えられており、自動車メーカー大手20社は22年9月までに米国で販売される車の99%に当たる乗用車および軽量トラックにAEBを標準搭載するという自主的な協定を運輸省道路交通安全局(NHTSA)と交わしている。

 米国の交通事故死者は、16年に前年比5.6%増の3万7461人と過去10年で最多を記録。そのうち歩行者は9%増の5987人と1990年以降で最多となった。しかし米国道路安全保険協会(IIHS)は、AEBの標準搭載によって25年までに2万8000件の事故と1万2000人の負傷者発生を防げると見込んでいる。

 AEBは、前方に障害物があってもドライバーが車を減速させない場合、自動的にブレーキが作動するシステム。普通のブレーキよりも多くのセンサーやソフトウェアが必要なためコストがかさむ。自動車メーカーは、より包括的な改良の一部としてAEBを組み込むため時間が必要だと説明している。

 高級車メーカーの中には早期に導入したところもあり、テスラとダイムラー傘下メルセデスベンツはすでに販売モデルのほぼ全てに搭載している。

 17年モデルにAEB搭載車が最も多かったのはトヨタで、140万台(全体の56%)に上った。フォルクスワーゲンの搭載率は36%、アウディは73%。ポルシェは17年モデルには搭載しておらず、SUBARU(スバル)はほぼ全てに搭載した。GMは20%、フィアット・クライスラーは6%、フォードは2%で、ジャガー・ランドローバーは0%だった。

 自動車安全センター(CAS)のジェイソン・レバイン所長は「自動車メーカーは、安全をぜいたくと考えて経済的に負担できない消費者の命を危険にさらしている。NHTSAは自主協定に頼らず強制的な規定をつくるべき」と話している。