Monday, February 26, 2018 10:15 AM

遠隔地向けの光ファイバー給電技術を開発

 創業11年のパワーライト・テクノロジーズ(PowerLight Technologies)は、海底や災害地といった遠隔地用に光ファイバー給電技術を開発し、商業化に取り組んでいる。

 グリーンビズ誌によると、パワーライトの技術は、同社独自の機器を使って電力を強い光にいったん変換し、地下または海底に敷設された光ファイバー・ケーブルを使って受信機に「発信(beam)」し、受信した光を利用可能の電力にふたたび変換する。

 パワーライトは、1キロメートル離れた場所に300ワットの電力を送信することに成功している。同社によると、他社が開発中の無線給電技術の場合、「長距離給電」がわずか数インチ先にとどまる。

 パワーライトはもともと、レイザーモーティブ(LaserMotive)という社名で設立された。米航空宇宙局(NASA)が主催した給電技術開発大会で優勝したことで2009年に注目され、その後に海軍や国防総省を含む複数の米軍事機関と技術開発で協力してきた。

 遠隔給電技術の潜在的応用分野は幅広い。たとえば米軍は、無人航空機(ドローン)への給電手段としての可能性を検討している。

 そのほかにも、被災地の救助活動で利用される遠隔通信基地や、一時的に電力が必要になる建設工事現場への給電に役立つと期待される。さらに、海難事故後の救助活動や深海採掘、海底探査活動に利用される水中ドローンや機械への給電も視野に入っている。

 それらの機械への給電には銅ケーブルが使われるのが普通だが、深海で利用するには効率が悪い。一方、光ファイバー・ケーブルは銅ケーブルに比べて格段に軽く、直径も10分の1と細い。

 そのためパワーライトでは、同社独自の技術によって給電作業が効率化され、機械をより深い場所かつより長時間で駆動させられる、と商機開拓に注力している。

https://www.greenbiz.com/article/power-beaming-approach-could-light-underwater-exploration-disaster-sites