Tuesday, April 03, 2018 12:10 PM

人工知能や解析で手数料を引き下げ

 カリフォルニア州拠点のリアル・エステイト・エクスチェンジ(REX=Real Estate Exchange)は、人工知能やビッグ・データ解析、標的ソーシャル・メディア販促、ロボティクスを活用する住宅不動産仲介サービスを米国内の複数都市で展開し、手数料引き下げによって売買件数の増加を図っている。

 デンバー・ポスト紙によると、同社は、販促活動を効率化することで売買手数料の率を従来の5〜6%から2%に引き下げ、将来的には売り手と買い手をつなぐオンライン市場(いちば)の構築も視野に入れている。

 REXのジャック・ライアン創業者は、「人工知能を使えば、特定物件の買い手を予想すできるようになる」「買い手を見つけるために(従来の一般的な販促手法である)物件紹介サービス(MLS=multiple listing service)に頼らなくて済む」と話した。

 REXでは、住宅購入希望者の心理学的データとオンライン行動を分析し、特定の住宅に興味を持つかもしれない消費者の割り出しに役立てている。予測解析技術を用いて潜在的購入者を絞り込んで販促活動を行い、内見用住宅に来てもらう。

 転職のために引っ越しを決め自宅を売ることにしたブラマキス夫妻は、REXのサービスを利用した。同夫婦の自宅がある町は、特に人気があるという不動産市場ではないが、REXの不動産売買代行者が水曜日に広告を出してから、同じ週の末までに3件の購入申し出を受け取った。

 REXは、自宅を売りに出そうとしている人の発見や、不動産価格の適切な設定のためにも人工知能を利用している。

 ロボティクスについては、人間よりすぐれた記憶力を利用し、よく聞かれる75件の質問すべてに正確に答えられるようにすることで、同社は売り手と買い手の信用を得ている。

 売り手にとって、MLSの代わりにREXのようなプラットフォームを利用する懸念の一つは、物件を最高価格で売ることができるかどうかだ。MLSは何千という不動産売買代行業者の目に触れるため、より多くの潜在的買い手から、より高額の提示額を引き出せる可能性がある。

 ライアン氏はその点について、手数料率の低下によってより多くの売り手を引きつけることで、契約成立件数を増やせると反論した。

https://www.denverpost.com/2018/04/01/rex-real-estate-exchange/