Friday, June 01, 2018 10:48 AM

供給管理分野も賃金に男女差〜職位上がるほど拡大

 長年男性が中心だったサプライチェーン業界でも女性の進出が増えているが、報酬面では男女格差が厳然と存在し、職位が上がるほど差は広がっていることが全米サプライ管理協会(ISM)の最新報告書で分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ISMが仕入れやサプライチェーンの専門家3000人を対象に調査したところ、2017年の収入は平均して男性の方が女性より29%多かった。職位が高いほど格差は大きく、供給管理を担当して15〜19年の男性は同様の女性より48%多かった。

 全体の格差は16年の31%に比べるとやや縮まったが、下位の仕入れ担当から経営幹部クラスを含めた供給関連のホワイトカラー職では女性の収入は依然として男性より少なく、エグゼクティブ・バイス・プレジデント級の役職では男性は女性より平均26%多かった。

 サプライチェーンの業界団体、米生産在庫調整協会(APICS)の最新調査でも同様の状況が見られ、平均収入は男性が女性より約16%多い。APICSの別の調査によると、近年は職場で供給管理を選択する女性が増えているが、APICSのエイブ・エシュケナジCEOによると、女性は同じ役職や期待に対して男性と同等の業績を挙げても同等の昇進機会が与えられず「リーダーシップにおける格差」につながっている可能性がある。

 男女の賃金格差は米労働力全体でも見られ、国勢調査局によると17年の女性労働者の週給の中央値は男性の81.8%だった。ISMのデータでは、サプライチェーン業界の女性の給与は男性の81%にとどまり、中央値は男性の10万8000ドルに対し女性は8万8000ドルとなっている。