Wednesday, September 05, 2018 10:57 AM

日本電産、ドイツのロボティクス5社を買収へ

 京都拠点の日本電産(Nidec、英語ではナイデック)は、総額約500億円を投じてドイツのロボティクス5社を2019年3月末までに買収する計画だ。製造業界での自動化という世界的動向を受けて、同分野の最先端技術を取り込むことで国際展開力を強化する狙いだ。

 ファイナンシャル・トリビューン誌によると、電気モーター製造大手である日本電産による一連のドイツ会社買収の最初は、ロボット部品メーカーのMSグレイスナー(MS-Graessner)だ。買収手続きは先日完了したばかり。買収額は約50億円。

 MSグレイスナーは、減速ギアボックスの製造で知られる。機械腕の関節を動かすのに非常に重要な部品だ。

 MSグレイスナーは1955年設立で、従業員数は約166人、年商約2180万ユーロ、営業利益は約210万ユーロ、純資産は約1510万ユーロ。

 日本電産は今月中にもう一社、1月に2社、残る一社を3月に買収する。それぞれに数十億円から最高200億円近くが投じられる。いずれも製造業務の自動化に関連した自動化機械やロボット部品のメーカーだ。

 日本電産は、それらのドイツ企業の施設を使って自社のロボット部品を生産し、ABBを含む欧州ロボティクス大手らへの販売力を強化する方針。

 ドイツのロボット部品メーカーらはおもに欧州で販売するが、近年ではアジアのロボット・メーカーらへの供給を増やしている。アジアの同市場は大きな成長が見込まれる。

 特に中国共産党の「メイド・イン・チャイナ2025」政策によって、中国における先進ロボティクス導入が加速していることから、中国向けロボットの需要が強まり、それによるロボット部品需要も非常に強まることが期待される。

https://financialtribune.com/articles/world-economy/92859/japan-co-to-buy-5-german-robotics-makers-for-450m