Wednesday, October 10, 2018 9:45 AM

欧州議会、新車CO2排出量の大幅削減案採択

 欧州連合(EU)の欧州議会は3日、乗用車とバンの二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに21年の目標と比べて40%削減する環境規制案を採択した。EUの行政執行機関、欧州委員会(EC)が示した案は21年比で25年までに15%削減、30年までに30%削減だったが、それより厳しく見直した。

 地球温暖化対策をさらに強化する姿勢を示した欧州議会だが、重要産業である自動車業界からは反発が強く、最終的な法制化には相当の時間がかかりそうだ。

 ロイター通信によると、ドイツ自動車協会(VDA)のベルンハルト・マテス会長は「欧州議会は完全に非現実的な目標値を設定しようとしている。技術面と経済面での実現可能性を無視していると言うしかない。目標値はこの期間では達成できるものではない」と述べた。

 自動車が主要産業のドイツは緩やかなECの原案を支持したが、フランスなど他のEU政府はより厳しい目標を選んだ。賛成票を投じたマルタ共和国の代表は「欧州が適切な時期までに環境対応車を生産できない場合、われわれはパリ協定の目標を達成できないだけでなく、欧州の自動車産業が立ち遅れることになる」と語った。

 15年にフォルクスワーゲン(VW)が、世界で1100万台に不正ソフトウェアを搭載して排ガス規制を逃れていたことが発覚。これが欧州議会の今回の決定につながった。

 欧州自動車工業会(ACEA)は声明で、欧州議会が採択したのは「積極的すぎる」目標であり、「自動車産業全体の雇用に良くない影響を与える」と警告した。

https://www.reuters.com/article/us-eu-auto-emissions/eu-lawmakers-back-40-percent-co2-cut-for-cars-vans-by-2030-idUSKCN1MD0RC