Thursday, January 31, 2019 8:36 AM

東レ、ドイツに自動車向け環境イノベーション拠点開設

 東レは、ドイツのミュンヘン近郊にオートモーティブ・センター欧州(AMCEU)を開設した。

 同社のプレスリリースによると、AMCEUは、欧州で東レグループの保有する自動車向け高機能素材、先端技術を生かしたグリーンイノベーション(GR)事業を拡大するための技術開発拠点となる予定で、環境に優しい自動車向けのソリューション開発に重点を置く。

 東レは2006年、代表窓口の自動車材料戦略推進室を、さらに08年に技術面の窓口であるオートモーティブセンター(AMC)をいずれも名古屋市に設立して、日本の自動車メーカー向けに新素材を用いたソリューションの開発と商品化に力を入れてきた。17年10月には欧州に新しい研究開発(R&D)センターのAMCEUを開設する計画を発表していた。

 AMCEUでは、日本でのAMCの経験を生かし、欧州の顧客に一カ所ですべてのサービスを提供するための技術開発を強化していく。炭素繊維、樹脂、薄膜といった先進素材とテクノロジーを組み合わせて、環境に優しい自動車向けの総合的なソリューションを提供できるようにする。

 AMCEUは、西欧の自動車メーカーおよびサプライヤー向けにソリューションを提案する機能を持ち、相手企業の初期設計・構想段階から参画し、デザインまですべての段階で支援を提供して、解析、成形、シミュレーション、加工技術の開発や欧州独自の新たな用途開発などにも着手する。

 東レは、中期経営計画「プロジェクトAP-G 2019」に基づき「GR事業拡大」戦略を推進しており、より厳しくなる環境規制目標を達成するために、自動車メーカーやティア1サプライヤーといった主要顧客と連携し、EVなどの環境に優しい輸送機器に必要な新しい素材の開発および方法や構造の構築を目指している。

https://www.toray.co.jp/news/others/detail.html?key=D5439D798BEEB1FA4925838A002E28E3