Thursday, September 15, 2016 9:59 AM

サムスンとLGを提訴〜元LG社員、違法協定で減収と

 サムスン電子とLG電子の米国部門は互いの社員を引き抜かないという反トラスト法(米独禁法)違反の協定を結び、賃金を不当に低く抑えているとして、LGの元営業担当者が両社を相手取って訴訟を起こした。

 ロイター通信によると、訴えたのはLGでかつてセールスマネジャーを務めたA・フロスト氏。同じような境遇の社員すべてが原告の集団訴訟として扱うよう、北カリフォルニア連邦地裁に求めている。LG広報は、引き抜き防止協定など存在せず、原告の主張は法的根拠がないと反論。サムスンは論評を拒否している。

 シリコンバレーではこれまでも、アップル、グーグルなど複数のハイテク大手が引き抜き防止協定を結んでいたとして従業員から集団訴訟を起こされている。この訴訟では15年に企業側が原告に計4億1500万ドルを支払うことで和解が成立した。

 フロスト氏の訴状によると、氏は13年に会員制交流サイト(SNS)のリンクトインを通してサムスンの採用担当者から移籍を打診されたが、同じ日にこの担当者から連絡があり、「手違いがあった。LGからサムスンへの引き抜きはしないことになっていた。申し訳ない。両社はお互いに社員を引き抜かないということで合意している」と知らされ、交渉は打ち切られた。

 原告は訴状で「韓国の親会社の承諾を得ずに合意が交わされたとは思えない」とも指摘している。原告代理人のジョー・サベリ弁護士はアップル、グーグルに対する訴訟でも原告代理人を務めた人物。