Thursday, September 15, 2016 10:00 AM

モバイル・データ視覚化でマラリア退治〜ザンビアで2年間に感染数93%減

 米ソフトウェア開発企業タブロー(Tableau、シアトル拠点)と国際非営利団体のパス(PATH)は、アフリカのザンビアでのマラリア撲滅に向けて協業し、モバイル・データの視覚化システムを開発したことで多くの命を救うのに成功した。

 世界保健機関(WHO)によると、マラリアによる死亡者数は2000年に83万9000人、2015年に43万8000人を記録した。その間に48%も減ったといっても、年間40万人以上が犠牲となるマラリアは、人命をもっとも奪う感染病の一つだ。しかも、アフリカの一部では死因の90%を占める悪名高い病気だ。

 ベンチャービート誌によると、タブローとパスは、紙とモバイル端末の両方を使ったデータおよび情報の収集から出発し、マラリア拡散パターン群の特定にまず取り組んだ。

 タブローとパスは、マラリアの拡散地域や拡散速度、拡散方向、さらに、ザンビア国内の人々の移動パターン群、移動人数、移動経路といった各種のデータを集めて分析し、その結果を統合して地図化することで、拡散をくい止めるのに重要となる多くの地点と、拡散予想モデルによる予防対策重要地点群を設定し、それらすべてをモバイル端末で簡単かつ迅速に見られるよう視覚化した。

 現場の実行班はそれを受けて、拡散をくい止めるのに重要となる数々の場所に医療資源を集中させ、治療と拡散防止を徹底した。その結果、ザンビアのマラリア感染件数は2年間で93%も激減した。

 タブローとパスでは、東南アジアで増え始めたジカ熱にも同様の対策を応用できると考えている。

http://venturebeat.com/2016/08/31/mobile-data-visualization-reduce-malaria-93-zika/?google_editors_picks=true