Monday, April 13, 2020 10:15 AM

マスクをつけたままでも使える顔認識技術の開発が進む

 新型コロナウイルス・パンデミックによって欧米でもマスク着用が推奨されるようになったことを受けて、顔認識技術の限界が実感されるようになっている。

 ベンチャービート誌によると、グーグルが1年弱前に投入したスマートフォン「ピクセル4」の顔認証システムは、ひげを剃ったりサングラスをかけたりしても利用者の顔を認識できるといわれたが、マスク着用時には機能しない。

 一方、2017年から顔認証機能が搭載されたアップル・アイフォーンの場合、カリフォルニア州で2018年に起きた大規模山火事の際の周辺市民や、アジア各国の利用者らがマスクをつけるとその機能が使えなくなる、と指摘された。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、同じ不満を感じる人は世界中で増えている。中国テンセント(Tencent)の社員は3月に、マスクをつけていてもアイフォーンで顔認証できるようにする方法を動画で実演した。顔の半分を覆った状態の顔を新たにスキャンして顔認証システムに登録するというものだ。

 新型コロナウイルスは、オフィス勤務や会議のあり方をはじめ、社会のさまざまの側面に大きな影響を及ぼすとみられている。顔認識技術にも、同じことが当てはまるかもしれない。スマートフォンを解錠する際だけでなく、警備や公安の目的で使われる顔認識技術にも、マスクを着用した状態で認識できる能力が追加される可能性がある。

 オルタナ右翼とのつながりが報じられた技術会社クリアヴューAI(Clearview AI)は、感染者追跡の目的で顔認識技術を州当局に販売しようとしている。

 現行の顔認識技術のほとんどは、目の周りや鼻、口、顔の下半分の輪郭を認識して人物を特定する。マスクをつけた人の顔を認識できるシステムは非常に少ないが、最近になって中国でいくつか開発された。

 ソフトウェアを開発する北京拠点のハンワン・テクノロジー(Hanwang Technology)は、マスクをつけた顔写真を共有するよう自社の社員に要請し、そのデータセットを構築した。その結果、マスク着用者の顔を95%の精度で認識できる、と同社は説明している。

https://venturebeat.com/2020/04/08/facial-recognition-is-no-match-for-face-masks-but-things-are-changing-fast/