Tuesday, April 21, 2020 10:10 AM

新興企業アンラーン、患者のデジタル・ツインを構築

 製薬大手ファイザー(Pfizer)の元主任科学者が設立した新興企業アンラーン・ドットAI(Unlearn.AI、以下アンラーン)は、医薬品の臨床試験参加者の「デジタル・ツイン」プロファイルを構築し、それを「対照群」として利用する機械学習プラットフォーム「ディジェネシス(DiGenesis)」を開発した。

 アンラーンは、新型コロナウイルス感染症「コーヴィッド19」のワクチンや治療薬の開発にはかかわっていない。

 人工知能は、臨床試験の効率的実施と医薬品の早期開発に役立つと期待される。

 テッククランチ誌によると、アンラーンは、ディジェネシスの最初の応用対象分野として神経疾患、特にアルツハイマー病と多発性硬化症向け治療薬の臨床試験を想定している。それらの疾患の有効な治療選択肢はまだない。発症した患者を集めての臨床試験の実施が困難なことが治療薬開発の障害の一つとして指摘される。

 同社は、最近に実施したシリーズAの資金調達において総額1200万ドルを集めた。同社は、ディジェネシス市場投入の準備を進めるのにその資金を投じるとみられる。

 同社は、新型コロナウイルス・パンデミック以前に、ディジェネシスの商業化について規制当局と協議している。同社の創業者兼CEOのチャールズ・K・フィッシャー博士によると、提携会社らがディジェネシスの検証をすでに開始し、良好な結果が報告されている。

 アンラーンは、ディジェネシス開発にあたって「何千人という患者の臨床試験データセット」を使った。疾患ごとに機械学習モデルを構築し、デジタル・ツインとそれに付随する仮想医療記録を作成した。

 デジタル・ツイン(digital twin)とは、物理的事象をデジタル環境に模擬的に再現することを意味する概念。たとえば、遠隔地にある工場や設備の環境をコンピュータ・システム上で模擬再現することで、現実の工場または機械の制御や管理を簡便化する

 仮想医療記録は、人口動態や検査結果、バイオマーカーの点で被験者のものと一致する。「AI基盤ツイン」を対照群として利用することで、被験者と特性が類似する患者を臨床試験に登録しなくても試験の実施と比較検証が可能になり、結果的に新たなワクチンや治療薬の開発を加速できる可能性がある。

https://techcrunch.com/2020/04/20/unlearn-ai-nabs-12m-to-build-digital-twins-to-speed-up-and-improve-clinical-trials/