Tuesday, October 04, 2016 10:40 AM

IBM、ワトソンIoT事業に照準〜本部をミュンヘンに設置、2億ドルを投資へ

 IBMは3日、新設したワトソン・モノのインターネット(Watson Internet of Things)事業部門に2億ドルを投じる計画を明らかにした。同社はそれにともなって、その国際本部をドイツのミュンヘンに設置した。

 ベンチャービート誌によると、その背景には、IoTの技術や製品、サービスが巨大市場に成長し始めたというIBMの認識のもと、人工知能技術を統合した次世代型IoTによって成長市場を一気に取り込むという同社の次なる成長戦略がある。

 IBMによると、同社の産業IoT(IIoT=IIoT=Industrial Internet of Things)事業の顧客企業数は現在、2015年末時点の4000社から6000社に増えている。

 同社が注力するおもな分野は、ビッグ・データ分析やセキュリティー、IoTクラウド・サービス。IBMは、それらの分野でドイツのシェフラーと提携することで、ワトソンIoT事業の拡充を図る計画だ。シェフラーは産業用ベアリングの世界的大手。

 IBMはそのほか、オランダの業務用無人飛行機(ドローン)メーカーであるアエリアルトロニクスとも提携したばかり。アエリアルトロニクスは、採油施設や無線通信中継塔といった産業施設の検査用ドローンを提供している。IBMは、それらのドローンとワトソンIoTを統合する。

 産業界大手らとの提携は今後も継続的に強化される。IBMは現在、アジアの製造業向けロボティクス企業らとも4〜5件の提携を協議中だ。

 IBMはワトソンIoT事業の大幅拡大にともなって、拠点のミュンヘンで1000人、世界的に2万5000人を増員する計画だ。その一方で、成長鈍化が著しい機器類やソフトウェア、技術サービスの分野で人員整理とコスト削減を実施する。

http://venturebeat.com/2016/10/03/ibm-to-pour-200-million-into-watson-internet-of-things-a-i-business-in-munich/