Tuesday, August 25, 2020 10:22 AM

マイクロソフト、外国政府とのクラウド契約に注力

 マイクロソフト(Microsoft)は、クラウド電算基幹サービスに関する複数の外国政府との契約を獲得している

 CNBCによると、それらの契約は、同社が米国防総省から受注した契約に似ている、と関係筋は説明している。

 国防総省の業務クラウド化事業は、「ジョイント・エンタープライズ・ディフェンス・インフラストラクチャー(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」、略してジェダイ(JEDI)と呼ばれてる。ジェダイは、国防総省が要求する機密保持水準を維持しながらクラウド経由で演算力とストレージを提供するものだ。

 国防総省は2019年10月に、最大100億ドルに上る10年契約をマイクロソフトに発注した。しかし、クラウド・サービス市場で激しく競争するアマゾン(Amazon)は、その決定が不当だと主張して訴訟を起こしたことから、ジェダイ契約は保留されている。

 マイクロソフトは、政府契約の要件を満たすクラウド基幹サービス事業を戦略的な優先事項と位置づけている。

 同社がクラウド技術を複数の外国政府に提供する契約は2020年内にも発表される見通しだが、どの国かは明らかではない。国外に駐在する米国の情報機関や軍部も使用できる、と同社は説明している。

 調査会社のIDCによると、2019年時点でのクラウド基幹サービス市場のプロバイダー別占有率は、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)が47%の最大手で、マイクロソフト・アジュール(Azure)は13%だった。

 マイクロソフトにとって米国外の政府顧客は重要性だ。6月30日締めの2020年度業績では、売上高の51%を米国外の顧客が占めた。ただ、2002年度にはその割り合いは71%だったため、マイクロソフトは米国外市場で失速したことになる。同社はそのため、勢いを取り戻すことを重視している。

 アジュールを使っている外国のおもな公的機関には、ニュージーランドの消防局やフランスの航空宇宙局、カナダの住宅金融公庫がある。

https://www.cnbc.com/2020/08/21/microsoft-plans-cloud-push-with-foreign-governments-after-jedi-win.html