Monday, November 23, 2020 4:54 PM

ロンドンとサンフランシスコが「インパクト・テック」の世界拠点に

 国連の持続可能開発目標(Sustainable Development Goals=SDG)に関係する技術へのベンチャー・キャピタル(VC)投資は、ロンドンとサンフランシスコでもっとも盛んであることが、最近の調べでわかった。

 同調査は、ロンドン市の貿易振興局であるロンドン&パートナーズ(London & Partners)と、合併&買収の管理技術を開発する蘭ディールルーム(Dealroom)によって行われ、「シリコン・バレー・カムズ・トゥ・ザ・UK(Silicon Valley Comes to the UK)」と題した最近の仮想催事で発表された。同調査には5000社以上の新興企業のデータが含まれた。

 テッククランチ誌によると、気候変動や社会の不平等をはじめ、SDGの17の目標に関係する影響力ある技術ソリューション、いわゆる「インパクト・テック」に対する全世界の投資は、2015年から2020年に280%増を記録した。

 ロンドンとサンフランシスコに次いでこの種のVC投資が多かったのは、パリ、ベルリン、ストックホルム、上海、北京だった。

 ロンドン拠点のインパクト・テック新興企業群への投資は2015年から7.8倍に伸びた。欧州全体では3.1倍だった。2020年は、ロンドンのインパクト・テック企業に対する投資額が史上最高に達すると予想されており、1月から10月までにすでに120億ドルのVC投資が実行された。また、2015〜2020年におけるロンドン拠点のインパクト・テック新興企業群への投資件数は計429件で、世界のどの都市よりも多かった。

 サンフランシスコも、過去5年間で2.8倍の伸び、2020年1月〜10月のVC投資額は総額170億ドルを記録した。金額ではサンフランシスコが世界最高だ。米国全体では、過去5年間のインパクト・テック投資額が358億ドルで、中国の168億ドル、イギリスの61億ドルを圧倒した。

 2006年以降にロンドンで設立されたインパクト・テック企業の数は241社、サンフランシスコは95社だった。ロンドンには、オクトパス・エネルギー(Octopus Energy)やアライヴァル(Arrival)、グスト(Gousto)、バビロン・ヘルス(Babylon Health)をはじめ、同分野のユニコーン(企業評価額が10億ドルを超える新興私企業)がいくつも誕生した。

https://techcrunch.com/2020/11/11/study-london-and-sf-have-become-impact-tech-hubs-with-280-increase-in-vc-in-5-years/