Wednesday, December 02, 2020 9:25 AM

超音速飛行機の設計をクラウド模擬化で安価に実行

 超音速の飛行機を設計および開発する新興企業ブーム・スーパーソニック(Boom Supersonic)は12月1日、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)との提携を拡大し、クラウド・サービスを広範に活用する方針を打ち出した。

 CNBCによると、ブーム・スーパーソニックのブレイク・ショールCEOは、AWSのクラウド・サービスを使うことで「高速かつ安価に模擬化を実行できるようになる」と話した。

 ブーム・スーパーソニックはこれまで過去数年間にわたってAWSと協力してきた。「5300万演算時間に上る仮想風洞テストを実行した」と、ショール氏は説明した。

 同社とAWSの契約金額や契約期間は明らかにされていない。AWSが2020年6月に設立した航空宇宙&衛星産業向けソリューション部門が獲得した契約としては、公表されている数少ない事例だ。

 ショール氏は、約20年前にソフトウェア工学者としてアマゾンに勤務していた経歴があり、「発明に対するアマゾンの姿勢を学んだ」という。ブーム・スーパーソニックが進めている開発では、「スーパーコンピュータをオンデマンドで利用できることが重要だった。それをAWSから得ている」と同氏は話した。

 ブーム・スーパーソニックは、実演用飛行機「XB-1」を10月に発表し、試験飛行を開始した。ショール氏によると、超音速旅客機「コンコルド」の設計過程では、実際の風洞テストが12回行われただけだった。XB-1は、仮想風洞テストを数百回行ってきた。

 「異なる設計を数百種類という単位で試験して、どれが高速および高性能でスムーズな離着陸を実現するかを模擬化して確認できる」「飛行機の部品は緻密に調整されている」「仮想試験(模擬化)によって、性能や機能との関係は単純ではないことがわかる」と同氏は話した。

 クラウド電算によって新興企業が大企業や政府機関の開発能力と肩を並べられるようになる、と同氏は述べた。

https://www.cnbc.com/2020/12/01/boom-supersonic-all-in-on-amazon-aws-for-aircraft-design-development.html