Wednesday, December 23, 2020 10:06 AM

持続可能木材をブロックチェーンで追跡

 持続可能の木材燃料を製造するエンヴィーヴァ(Enviva)と、ブロックチェーン技術を提供するゴーチェーン(GoChain)は12月21日、生物由来材料(バイオマス)の遡及追跡を目的として実施してきた初期の試験運用が成功した、と報告した。

 ビジネス・ワイヤーによると、両社の試験運用は、エンヴィーヴァが木材を調達している米国南東部の供給業者らを対象に実施された。森林内の位置や森林の種類、木材の重さ、パルプの種類といったさまざまのデータを記録して、ゴーチェーンのブロックチェーンで流通過程を追跡した。

 その結果、森林で木材が伐採された時点から、エンヴィーヴァの工場でペレットが生産される時点までの過程を、固有のQRコードを使ってリアルタイムで追跡できた。これまでに1000回以上にわたって、森林から工場まですべての経路を追跡したバイオマスの納品が記録された。また、リアルタイムのジーオフェンシングやデータ分析、通知機能も実現できた。ジーオフェンシングとは、物理的空間に仮想柵で境界を設ける技術。

 今回の試験運用の成功を受けて、エンヴィーヴァは今後、ブロックチェーンの活用をさらに広げていく計画だ。

 ゴーチェーンは、持続可能性や環境配慮をおもな目的としたブロックチェーン技術を提供している。大学やNGOとも協力して、ブロックチェーンのノードとして参加してもらうことで、「プルーフ・オブ・レピュテーション」という合意形成モデルを構築している。

 ブロックチェーンは、特に有機製品をはじめ、有害化学品を含まない製品、倫理的に生産された魚介類や肉類、また責任ある鉱物を追跡することに有用と期待され、重視されるようになっている。

https://www.businesswire.com/news/home/20201221005509/en/Enviva-Partners-With-GoChain-to-Pilot-Blockchain-Technology-for-Sustainable-Biomass