Thursday, December 24, 2020 5:00 PM

DHLサプライ・チェーン、ワクチン輸送の陰で活躍

 ドイツ・ポスト(Deutsche Post)DHLグループ傘下の米国法人DHLサプライ・チェーン(DHL Supply Chain)は先日、北米とそれ以外の地域におけるコーヴィッド19(COVID-19)ワクチンの供給をサポートするサービスを提供開始した。

 アメリカン・ジャーナル・オブ・トランスポーテーション誌によると、コントロール・タワー(Control Tower)と呼ばれる同サービスは、専門家らで構成される専任の班を編成して、24時間体制で物流業務を遂行し供給網の可視性を高めるものだ。

 同サービスを使った最初の出荷は先週に処理された。DHLサプライ・チェーンが計画を策定して、米国内でワクチンを輸送する大手運輸会社に配送注文を振り分け、それぞれの配送が最終目的地に配達されるまでを追跡している。

 同サービスは、DHLサプライ・チェーンの「トランスポーテーション・マネジメント・システム」という技術プラットフォームを活用している。複数のアプリケーションや過程を1ヵ所にまとめて管理するためのシステムだ。個々の顧客のためにカスタマイズした機能のほか、輸送過程にある注文の可視性をもたらすDHL独自のツール「マイサプライチェーン(MySupplyChain)」といった機能が含まれている。

 コントロール・タワーのもう一つの特徴は、ペンシルベニア州にある医薬品輸送センターの専門班が業務を担当することだ。輸送計画の策定や運輸会社の管理を専門とする社員らが、システムとデータを追跡してパフォーマンスや例外状況の発生を把握する。

 「コーヴィッド19ワクチンの輸送は緊急かつ大規模で複雑な事業だ。輸送能力に深刻な制約が生じている市場環境がそもそもあるため、多くのリスクをともなうことから、慎重に管理する必要がある」と北米DHLサプライ・チェーンの輸送事業担当社長ジム・モンクメイヤー氏は指摘する。「物理的な輸送が注目されがちだが、データを管理して過程全体を最適化する背後の努力が必要だ」。

 DHLは、医薬品関連の専門社員9000人以上、医薬品の取り扱いが可能な事業施設を140ヵ所、また医薬品の空輸事業施設を100ヵ所以上有している。

https://ajot.com/news/dhl-supply-chain-applies-digitalization-and-know-how-to-reduce-complexity-in-vaccine-supply-chain