Monday, February 01, 2021 9:39 AM

ウォルマート、デジタル広告事業をテコ入れ

 ウォルマート(Walmart)は、広告事業部門を従来のウォルマート・メディア・グループから「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」に改名する。

 CNBCによると、ウォルマートはそれと同時に、自社で蓄積したデータを活用して自社のデジタル事業群とオフライン広告事業を拡充する戦略を1月28日に明らかにした。そのなかには、デジタル広告技術会社トレード・デスク(The Trade Desk)を介して提供される広告配信事業も含まれる。ウォルマートはそれにともなって、デジタル広告事業を向こう5年間で10倍に成長させることを図る。

 その背景には、競合社のアマゾンへの対抗力をさらに強化するというウォルマートの戦略をあらためて優先させる、という同社の方針がある。同社はそのために、自社ウェブサイトと実在店舗群に毎月1億6000万人の消費者が訪れることをてこ利用して、同社の小売サイトと実在店舗群が広告主会社らにとって魅力的な広告媒体であることをあらためて訴求する考えだ。

 ウォルマート・コネクトでは、トレード・デスクとの協業によって、同社の販売サイトに出店する小売業者らや広告代理店が各種のデジタル媒体や端末にわたって、より効率的かつ効果的に標的広告を発信できるよう支援する。

 トレード・デスクとウォルマート・コネクトは現在、「需要側プラットフォーム(demand-side platform(DSP)」を構築中で、ウォルマートの購入者データを活用して、同社のウェブサイト全般を対象とした標的広告の効果的表示場所を特定できるようにする技術を開発している。

 昨今、アマゾンを筆頭に、小売サイト上での商品検索が大きなオンライン広告市場として存在感を強めている。アマゾンがグーグルやフェイスブックと競合するデジタル広告大手にのし上がっている事実はそれを象徴する。

 数百万単位の小売業者が出店するアマゾンやウォルマートといった超大規模小売サイトでは商品検索件数が激増しており、それ自体が巨大なオンライン広告媒体と化している。

https://www.cnbc.com/2021/01/28/walmart-partners-with-the-trade-desk-for-ads-business-.html