Tuesday, February 23, 2021 10:40 AM

IBM、ワトソン・ヘルス事業の売却先を模索

 IBMは、人工知能基盤のワトソン・ヘルス(Watson Health)事業の売却先を探している。ワトソン・ヘルスは、がんの診断において専門医らを助け、個々の患者に応じた効果的ながん治療法の特定や発見に貢献するはずだった。

 約10年前に人気クイズ番組「ジェパディー(Jeopardy)」で出場者たちに勝利したワトソンは、人工知能がいかなる質問にもすぐに答える万能の知能としてもてはやされた。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、IBMはワトソンの商業化策として医療目的に照準し、医療業界の旧態依然とした部分に合理性と効率性を人工知能によってもたらすことをねらった。

 ジェパディーから10年後、ワトソンは複数の産業界で商業化されたが、将来を有望視された当初の期待には遠く届かなった。

 IBMは、ワトソンの構築や強化、革新を推進するためにいくつもの人工知能会社の買収に数十億ドルを投じてきた。しかし、期待と投資規模に応えることはなかった。ワトソン・ヘルスの年商は約10億ドルだがいまだに赤字だ。

 IBMは、ワトソン・ヘルスを投資会社に売却するか、特別買収目的会社スパック(SPAC=special purpose acquisition company)とワトソン・ヘルスを合併させる選択肢を模索している。

https://www.wsj.com/articles/ibms-retreat-from-watson-highlights-broader-ai-struggles-in-health-11613839579