Monday, March 15, 2021 10:14 AM

フォード、IRMAに加盟〜米自動車メーカーで初

 フォードはこのほど、持続可能な鉱山業の認証機関「責任ある鉱業認証イニシアチブ」(IRMA、本部ワシントン州)に米自動車メーカーとして初めて加盟した。企業として自動車部品の原材料生産に関わる人々の人権と地域、環境の保護に努める意思を表明したことになる。自動車業界からはすでにBMWグループもIRMAに加盟している。

 グリーンカー・コングレスによると、フォードはまた、電気自動車(EV)と持続可能なモビリティーの改革を引き続き主導し、EVの開発とソリューション創出に220億ドルを投資することも表明した。同社は今後、鉱山で採れる材料、特にEV用バッテリー生産に関連する材料に大きく依存することになる。

 鉱山業は長い間、児童労働や汚水・排気による環境汚染、騒音など、自然や社会に与える負の影響が指摘されてきた。また、産業用原材料の多くは武力紛争が頻繁に起きるような危険地域で採掘されている。そのような場所では政府の支配力が弱く、利害衝突や労働問題が起きやすい。

 責任ある採掘作業の推進に取り組むIRMAは、生産されたすべての材料が環境的および社会的な基準に達しているかを第三者機関として検証し、認証を与えている。同機関の国際規格は、鉱業会社、関連地域、非政府組織(NGO)、労働団体、鉱業資源の購買者など100以上の集団と協議しながら10年以上かけて開発された。

 IRMA規格は、燃料以外のすべての鉱業資源を対象とし、世界全域のあらゆる規模の産業用鉱山に適用される。

 フォードは各鉱山会社に対し、IRMA認証を受けるよう引き続き働き掛けていく。