Tuesday, March 23, 2021 10:48 AM

グーグル・クラウド、独自チップの開発に本腰

 近年、米技術業界では大企業が独自のチップをみずから開発するという動きが顕著になっている。グーグル(Google)は3月22日、インテル(Intel)の長年の幹部ユーリー・フランク氏をカスタム・チップ部門担当副社長として雇うことでその動きに加わった。

 テッククランチ誌によると、フランク氏は、グーグルが注力するクラウド電算サービス事業グーグル・クラウドにとってきわめて重要なサーバー用チップの設計を統括する、と同社は話した。

 「クラウド基幹設備の将来は明るい。また、その進化も速い」「クラウド電算の需要が世界中で引き続き強まるなか、われわれはユーリー・フランクをサーバー・チップ設計工学担当副社長として迎えることにわくわくしている」と同社の研究員でシステム基幹設備担当副社長エミーン・ヴァーデット氏は述べた。

 フランク氏は、インテルで20年以上の半導体経験を持ち、チップ設計工学事業部門の副社長を2月末まで務めていた。

 グーグルは、クラウド事業を支えるために世界各地で運営するクラウド・データ・センター群で稼働させる無数のサーバーのチップを他社から調達するのではなく、多機能のSoC(Systems on Chip)をみずから設計する方針だ。SoCはクラウド・サーバーにとって「新たな電子回路基板だ」とヴァーデット氏は話している。

 グーグルは、数年前には「独自のチップをみずから設計」という動向の先駆者だった。しかし、アマゾンやフェイスブック、アップル、マイクロソフトらに先を越された。グーグルはフランク氏の指揮のもと、独自設計のチップを次段階に進化させることに注力する方針だ。

https://techcrunch.com/2021/03/22/google-cloud-hires-intel-veteran-to-head-its-custom-chip-efforts/