Wednesday, April 07, 2021 11:20 AM

ベライゾンとAWS、プライベート・モバイル末端電算を提供へ

 ベライゾン・ビジネス(Verizon Business)とアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)は、これまでの提携関係を拡大し、米国の法人顧客向けにプライベート・モバイル末端電算(mobile edge computing=MEC)を提供する、とベライゾンが4月5日に発表した。

 ベライゾンの発表資料によると、同ソリューションは、高速かつ低遅延の5G通信網を自社の事業所内に敷設して、高いセキュリティーとカスタマイゼーションを達成したい顧客に適している。

 両社が提供するソリューションは、ベライゾンの「プライベート5G」ネットワークと「プライベート・エッジ」プラットフォーム、それにAWSのマネージド・サービス「AWSアウトポスツ(Outposts)」を組み合わせて完全に統合したものだ。AWSアウトポスツは、AWSがクラウド上で提供する基幹設備とサービス、API(application programming interface)、各種のツールで構成される。

 ベライゾンの法人顧客らはそれによって、物流管理や予想保守、ロボティクス、工場自動化といった用途にプライベートMECを活用できる。その結果、工場や倉庫、企業キャンパスといった施設内に専用かつ安全な演算プラットフォームを構築して、統一的なIT環境を整備できる。

 ガラス製造大手のコーニング(Corning)が、そのMECソリューションの導入第一号となる予定だ。

 ベライゾンとAWSはこれまでも協力関係にあり、ベライゾンの「5Gエッジ」にAWSの「ウェイヴレンクス(Wavelength)」を組み合わせたソリューションを提供していた。AWSウェイヴレングスは、ベライゾンのパブリック・モバイル通信網の末端部分にAWSの演算やストレージのサービスを提供する。それによって通信遅延を最小限に抑えて、5G対応の装置からAWS上のアプリケーションを利用できるようになっていた。同サービスは2020年8月以降、米国全土で提供されている。

 「顧客らはウェイヴレンクスを活用して、動画配信やAV、VR、接続車といった末端利用者らに低遅延のアクセスをすでに提供している。5Gを使ったプライベートのMECはそれを専用環境にもたらす」と、AWSのエラスティック・コンピュート・クラウド(EC2)担当副社長デイヴ・ブラウン氏は述べた。

https://www.verizon.com/about/news/verizon-business-private-mec-aws