Monday, April 19, 2021 10:39 AM

米デジタル広告市場、2020年に12%の成長

 コーヴィッド(Covid)パンデミックによってデジタル広告支出はその初期に低迷したが、2020年の通年では前年比12.2%増を記録したことがわかった。同調査結果は、PwCがインタラクティヴ・アドヴァタイジング・ビューロー(Interactive Advertising Bureau=IAB)に調査を依頼して判明したもの。

 CNBCによると、4月7日に公表された同調査報告ではまた、デジタル広告生態系における最大手らが米国内の同市場において勢力をさらに拡大させたこともわかった。

 パンデミックが2020年の米デジタル広告予算を最初に縮小させた傾向は、特に航空業界で顕著だった。しかし、2020年下半期になると政治広告と歳末商戦向け販促が増えたことで、前半の低迷を相殺して余りある売り上げに一転し、年間総額1398億ドルに達した。成長率では2018年から2019年にくらべて鈍化した。

 IABによると、2020年の米デジタル広告市場では、最大手群の占有率がパンデミック以前より拡大した。売り上げ全体に占める上位10社の市場占有率合計は78.1%に達し、上位10社の売り上げは計1090ドルを記録した。2018年における上位10社の市場占有率合計は75.9%で、2019年では76.6%だった。

 IABの調べでは、デジタル広告大手らそれぞれの占有率はわからないが、市場調査会社イーマケター(eMarketer)によると、2020年におけるグーグルの占有率は28.9%、フェイスブックのそれは25.2%、アマゾンのそれは10%以上と見積もられる。アマゾンが米デジタル広告市場で二桁の占有率をにぎったのは2020年が初めてだ。

 近年における米デジタル広告市場のおもな潮流として次の二つが挙げられる。一つは、フェイスブックやユーチューブ、ツイッター、インスタグラムに代表されるソーシャル・メディアが広告媒体としての地位を高めていること。もう一つは、アマゾン・サイト上での商品検索が激増したことによって、アマゾンの広告媒体としての存在感が急速かつ大きく高まっていることだ。

https://www.cnbc.com/2021/04/07/digital-ad-spend-grew-12percent-in-2020-despite-hit-from-pandemic.html