Tuesday, May 11, 2021 10:14 AM

テスラ、完全自動運転車の年内完成は無理か

 電気自動車(EV)大手テスラがカリフォルニア州陸運局(DMV)に「2021年末までに完全な自動運転技術を開発できない可能性がある」と伝えていたことが、同局の文書で明らかになった。

 ロイター通信によると、テスラのイーロン・マスクCEOは1月の電話会議で「今年は人間より高い信頼性を備えた自動運転車が実現すると確信している」と述べた。また同社は20年10月以降、一部の従業員と顧客に「完全自動運転(FSD)」と呼ぶ先進運転支援システム(ADAS)のベータ版の公開を開始し、マスク氏はツイッター投稿でFSDを宣伝している。

 DMVの文書には、同局が3月9日にテスラのADAS「オートパイロット」のエンジニアであるC・J・ムーア氏らと行った電話会議の内容が記されている。文書は法的データの透明性擁護団体プレーンサイト(PlainSite)が情報公開法(FOIA)に基づいて取得し、公開した。

 DMVは文書で「イーロンのツイートはC・Jが語ったエンジニアリングの現実とは異なる。テスラ(の自動運転技術)は現在レベル2だ」と指摘。「同社の説明からは、イーロン(CEO)がレベル5(完全自動運転)機能について語る時、開発の進み具合を推定で話していることが分かった。同社は年末までにレベル5に達するペースで技術が改善されていると言うことができなかった」と続けている。

 さらに「テスラの説明は、段階がまだ確実にレベル2であることをうかがわせた。同社も分かっているように、技術の限界とその誤用に関する国民の誤解は悲劇的な結果をもたらす」と記している。レベル2は、人間のドライバーによる監視が必要な半自動運転システムを指す。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/tesla-tells-regulator-that-full-self-driving-cars-may-not-be-achieved-by-year-2021-05-07/