Thursday, May 27, 2021 10:53 AM

グーグル、病院チェーン大手と提携

 アルファベット(Alphabet)傘下のグーグル(Google)と全米病院チェーン大手のHCAヘルスケアは、患者の記録を使った医療アルゴリズムを共同開発する提携に合意した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同提携は、技術大手や病院運営大手らが3兆ドルの医療分野に商機を求める直近の動きだ。

 テネシー州ナッシュヴィル拠点のHCAは、米国内21州で約2000ヵ所の病院を運営する。同社はグーグルとの提携のもと、患者のデジタル医療記録を統合してグーグルのデータ・プラットフォームで保存する。両社のデータおよび人工知能ソフトウェア工学者らはそれをもとに、患者の容態追跡や医療サービス運営効率、医師の判断支援を向上するアルゴリズムを共同開発する方針だ。

 「データは、すべての患者からリアルタイムで出てくる」「われわれが構築しようとしてることは、患者の身体が発信するさまざまの生命兆候をいかに解釈するかを支援する中央神経システムのようなもの」とHCAのジョナサン・パーリン最高医療責任者(医学博士)は話した。

 グーグルは、医療業界向けクラウド技術や人工知能技術の開発にしばらく前から注力している。同分野では、近年の医療記録デジタル化の加速によってデータが激増している。そのため、データの管理と活用の市場拡大が医療業界で加速している。

 そのほか、IBMはIBMワトソン・ヘルス(Watson Health)によって医療向け人工知能事業をもっとも早くから展開している。ただ、ワトソン・ヘルスは市場開拓に苦戦しており、IBMは同事業の売却先を模索している。

 かたや14の病院は、トゥルーヴィータ(Truveta)という新興企業を共同創設し、40州にまたがる匿名の医療記録を人工知能ソリューション開発やアルゴリズムによる洞察抽出向けに販売する事業を立ち上げた。さらに、2019年に新規株式公開したヘルス・キャタリスト(Health Catalyst)は、医療記録を機械学習システムによって解析するサービスを医療機関向けに提供している。

https://www.wsj.com/articles/google-strikes-deal-with-hospital-chain-to-develop-healthcare-algorithms-11622030401?mod=tech_lead_pos1