Wednesday, June 02, 2021 10:34 AM

EU、COVID-19デジタル・パスのシステムを稼働開始

 EUは、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況とウイルス検査結果を確認するためのデジタル・パス(アプリケーション)を導入しようとしており、その基本となるシステムが6月1日に稼働した。

 テッククランチ誌によると、同システムのゲートウェイにすでに接続したEU加盟国はまだ少ないが、その数は、7月1日の完全稼働までに大幅に増える見通しだ。

 EUは、コーヴィッド19(COVID-19)ワクチン接種状況や最近の陰性結果、または感染症から回復したことを示すデジタル証明を域内で統一的に管理することで、域内の人々の行き来を円滑化し、経済活動正常化の促進を図る。

 EUのデジタル・パスは、QRコードとデジタル署名を使用するもので、公開鍵暗号で保護されている。技術的な試験に合格した国は、準備が整えば1日からデジタル・パスの発行を開始できるようになった。現時点では、ブルガリアとチェコ、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、クロアチア、ポーランドの7ヵ国が同デジタル・パスの発行を予定している。

 そのほかの国は、すべての機能が全国的に導入された段階でそのデジタル・パスの発行を開始する予定だ。5月10日以降これまでに22ヵ国が技術的試験に成功した。7月1日には関連する規制が施行される。

 EU議会は当初、6月いっぱいでの完全稼働を目指す意向を示していた。現時点では加盟国に6週間の段階的導入期間を認めているため、もっとも遅い国は8月半ばに導入できる見通しだ。

 EUの説明によると、デジタル認証の確認過程において個人データが「交換または保管」されることはない。署名の鍵は、各国が管理するサーバー群に保管されており、ゲートウェイ経由で各国の確認システムからアクセスできる。

 EUはさらに、デジタル・パスの発行と保管、そして認証のための参照ソフトウェアも開発した。同ソフトウェアはギットハブ(GitHub)に公開されている。同ソフトウェアのコードはこれまでに12ヵ国で使用された。

 EUの健康デジタル・パスは、加盟各国の当局によって発行される。EU加盟国の国籍者は、地元の保健当局や検査センターから同パスを取得できる。

https://techcrunch.com/2021/06/01/eus-covid-19-digital-pass-gateway-system-goes-live/