Tuesday, June 29, 2021 8:55 AM

移動式無人店ロボマート、加州で本格始動

 自動運転車(AV)を使った移動式無人店舗のロボマート(Robomart)は、カリフォルニア州ウェストハリウッドで正式に事業を開始した。

 グリーンカー・コングレスによると、消費者がロボマートの携帯電話アプリケーションを使って移動店を呼ぶと10分以内に到着する仕組みで、現在利用できる最速の配達サービスになるという。

 今回の事業立ち上げでは、都市の駐車スペースを利用してモビリティーおよび物流拠点、飲食サービスを運営するリーフ(REEF)と提携して、商品の在庫、タグ付け、スキャン、統合性および補充を管理している。

 ロボマートは2018年の国際家電IT見本市(CES)で世界初の自律移動する食品販売店として登場。自律型テクノロジーの開発を続けており、規制の範囲内でできるだけAVを事業に組み込む予定だ。同社のサービスは配車サービス大手ウーバーなどと同じように機能し、移動店舗を呼び寄せ、到着したらアプリでドアを開け、注文した商品を自分で選び取る。

 最近の調査によると、食品配達サービスの90%は到着までに30分以上かかるが、ロボマートはこれを3分の1以下に短縮できる。また、ほかの食品配達サービスを使う消費者の87%は間違った商品を受け取ることが多く、すぐに食事や材料が必要な場合は理想的なサービスとは言えない。ロボマートは、車を呼び寄せる前にアプリですべての商品リストを表示し、到着時には消費者が自ら商品を選択できるようして、商品の選択間違いや在庫切れの余地をなくした。

 さらに、会計処理が不要な独自のRFIDベースシステムを実装することで時間のかかるプロセスを排除しており、お金を直接やりとりせず商品を持ち帰ることができる。

 ロボマートは本格始動の宣伝の一環として、最近ウェストハリウッドで運用したシャンプー、消毒剤、鎮痛剤などを販売する「ファーマシー・ロボマート」と、チョコレート、チップス、ソフトドリンクなどスナック製品をそろえた「スナック・ロボマート」の車両2タイプを公開している。

 新鮮な果物や野菜、その他の冷蔵食品を主力とする「グローサリー・ロボマート」も開発中で、今後はパントリー、デリ、カフェなどに取扱分野を広げる予定だ。