Monday, August 02, 2021 10:15 AM

エアプロダクツとカミンズ、燃料電池トラック普及で提携

 水素供給の世界大手エア・プロダクツ(Air Products、ペンシルベニア州)とエンジン製造大手カミンズ(Cummins、インディアナ州)は、米州、欧州、アジアで水素燃料電池トラックの導入を加速させるため協力する覚書を交わした。

 グリーンカー・コングレスによると、エア・プロダクツは世界の配送用車両を燃料電池車に転換する取り組みを始めており、カミンズは提携する自動車メーカーに大型トラック用の燃料電池式電動パワートレインを供給する。

 エア・プロダクツは、実証と試験運用を経て、トラック約2000台をゼロエミッションの燃料電池車に転換する計画。実証実験は2022年の開始を見込んでいる。

 さらに両社は、モビリティー分野に水素導入を促すための水素インフラ整備など、再生可能な水素へのアクセス向上でも連携する。

 水素燃料電池は、特に極端な気候条件における使用周期を考慮した場合の大型車向け技術として注目されるようになっている。輸送用燃料としての水素は、消費者が取り扱う上で従来の輸送用燃料に最も近い。この分野の先駆企業として数十年の実績があるエア・プロダクツは、250を超えるプロジェクトに関わり、その技術は20カ国で年間150万回以上の燃料補給に使われている。

 世界最大の水素生産企業であるエア・プロダクツは、水素のバリューチェーン全体にわたる経験を持ち、世界最大の生産、気化、炭素回収、輸送、燃料供給プロジェクトを構築、所有、運営することで持続可能な成長を推進している。

 一方、高度な技術とエンジニアリングで知られるカミンズは、PEM(プロトン交換膜)電解槽や燃料電池ソリューションなど市場を先導する水素技術の幅広いポートフォリオを持ち、これまでに世界で2000以上の燃料電池と600の電解槽を配備してきた。

 カミンズの水素関連の最新技術は、世界初の水素燃料電池旅客列車、ベルギー・アントワープにある船、車、トラックに対応できる世界初の水素燃料補給施設、カナダ・ベカンクールにある世界最大のPEM電解槽など、多くのプロジェクトに導入されている。

https://www.greencarcongress.com/2021/07/20210727-apcummins.html