Thursday, August 19, 2021 10:55 AM

英企業や大学、EV用の全固体電池開発で連合結成

 電池材料のジョンソン・マッセイ(JM)、リチウムイオン電池製造の新興企業ブリティッシュボルト、オックスフォード大学など7つの英国機関は19日、電気自動車(EV)用の全固体電池を開発するための連合組織(コンソーシアム)を結成したと発表した。

 ロイター通信によると、コンソーシアムは、全固体電池の大量生産に向けてプロトタイプと技術を開発するための施設を建設する。連合には、英国企業によるEV用電池開発・製造の支援を目的とした政府出資のファラデイ研究所も参加している。

 JMの電池材料責任者クリスチャン・ガンサー氏は声明で「航続距離と安全性の向上を実現することは、EV普及の重要な推進力となり、ネットゼロの未来への移行を支えるだろう」と述べた。

 欧州や中国で二酸化炭素(CO2)の排出規制が厳しくなる中、自動車メーカーはEVの開発を競い合っており、EV用電池には現在、液体またはゲル状の電解質で構成されるリチウムイオン電池が使われている。

 フォードやBMWなど多くのメーカーは、リチウムイオン電池より容量が大きくEVの航続距離を延ばせる全固体電池の研究開発に力を入れている。全固体電池は可燃性の物質を含まないため、より安全と考えられている。

 ブリティッシュボルトは、2023年に操業開始予定の電池工場をイングランド北部に建設する計画を進めている。建設は3段階で行われ、全固体電池の生産体制がすべて整うのは27年の予定。同社とスイス資源大手グレンコアは17日、EV用電池の原料となるコバルトコバルトの供給に関する長期契約を結んだ。グレンコアはブリティッシュボルトに出資している。

https://www.reuters.com/technology/british-consortium-formed-develop-solid-state-ev-batteries-2021-08-18/