Wednesday, January 19, 2022 11:13 AM

AT&Tとベライゾン、Cバンド5Gサービスの一部を再延期

 米航空業界大手らは1月18日、AT&Tとベライゾン(Verizon)がCバンドを使った5G通信網を1月19日に運用開始するのにともなって、「壊滅的」影響がおよぶ、と書簡で訴えた。AT&Tとベライゾンはそれを受けて、Cバンドを使った5G通信サービス開始計画の一部を再延期する。

 同書簡は、ホワイトハウスの経済委員会と連邦航空局(FAA)、連邦通信委員会(FCC)の責任者ら、運輸長官に宛てられた。

 テッククランチ誌によると、その書簡に署名したデルタとユナイテッド、サウスウェストを含む航空旅客および航空貨物大手のCEOらは、空港付近にあるCバンド5G通信中継塔が航空機の高度計器に干渉し、1日あたり1100便以上、乗客10万人以上に影響する、と警告した。

 「航空旅客や荷主、供給網、必要な医療物資の輸送に大きな支障が出るのを避けるために、早急な介入が必要だ」と航空大手CEOらは訴えた。

 同件をめぐっては、航空業界が数週間前から反対を主張したが、らちが明かなかったため、ホワイトハウスに介入を要請し、AT&Tとベライゾンが通信網の運用開始を1月18日まで延期し、その間に妥協策を決めることで暫定合意していた。

 しかし、航空業界と両社の溝は埋まらず、抜本的解決策に合意できないまま、その期限が迫った。

 AT&Tとベライゾンは、総額800億ドル近くの巨額を投じてCバンドの使用権を落札し、5G通信網の拡張を進めている。FCCはその運用開始を2021年に承認していた。

 航空会社らによると、空港付近に設置された数々のCバンド通信中継塔は、航空機の高度計器と干渉するため、操縦士らが地面と機体の距離を判断しにくくなり、非常に危険だと主張している。

https://techcrunch.com/2022/01/18/us-airlines-warn-c-band-5g-could-cause-catastrophic-disruption/