Friday, February 04, 2022 6:21 AM

AV認可には厳格な規則導入を〜消費者団体や労組、議会に要請

 連邦下院で2日開かれた運輸インフラ委員会小委員会の自動運転車(AV)に関する公聴会で、労働組合や消費者団体の代表らが、万全を期すため大量のAVが公道を走る前に安全対策を強化するよう求めた。

 ロイター通信によると、委員らはAVに関する懸念を示す一方で、この技術が多くの交通事故防止に役立つ可能性にも触れた。しかし、自動車の安全を訴える消費者団体Advocates for Highway and Auto Safetyのキャシー・チェイス代表は「私たちは道路で何が起こっているのかを知る必要があり、安全は規制によって達成される」と述べ、最低限の性能基準の導入を主張した。

 フォード、アルファベットのAV開発部門ウェイモ、GMのAV開発部門クルーズなどを代表する自動運転車工業会(AVIA)のアリエル・ウルフ法務顧問は「AVは安全なだけでなく、道路をより安全にする。今は道路が危機的な状況にある」と述べた。

 政府統計によると、2021年1〜9月の交通事故死者数は06年以来最多となっている。

 一方、AVの導入を加速させ、認可の障壁を取り除く法律の導入は何年も停滞しており、進展の気配はない。安全規制当局は、電気自動車(EV)大手テスラの運転支援システム「オートパイロット」が関係する多くの事故の調査も行なっている。委員のハンク・ジョンソン議員は公聴会でテスラの機能を批判した。

 また、全米トラック運転手組合(チームスター)のダグ・ブロック氏は「すべての労働者は自分の車と並走するAVが道路や職場を共有できる程度に安全だということを知る権利がある」と述べ、全米運輸労働組合(TWUA)のジョン・サミュエルセン代表は「議員はAVに関する強力な安全基準を確立し、施行する必要がある」と語った。

 委員長のピーター・デファジオ議員によると、現在国内36州で80を超える社が1400台以上のAVをテストしており「AVの安全面の利益を享受するには、当局が業界に説明責任を負わせAVが道路をより安全にするという約束を確実に果たせるようにしなければならない」と述べた。