Thursday, February 24, 2022 11:20 AM

ヴァーダント・ロボティクス、農業向けラースを披露

 農業用ラース(RaaS=robotics-as-a-service)を提供する新興企業ヴァーダント・

ロボティクス(Verdant Robotics、カリフォルニア州ヘイワード拠点)は2月22日、データ解析をはじめ、散布や除草の農業向けアプリケーション群を単一の農機に統合できるようにする特殊作物農家向けプラットフォームを発表した。

 アグファンダーニュースによると、同ツールは、収穫量増加やコスト削減、農場で起こっていることの全体的把握を含め、事業運営と農作業にとって大きな利点をもたらす、と同社は説明した。

 事業開始から約18ヵ月が経過する同社は、米国のニンジン市場の約40%に相当する農家らに今後5年間にわたってラースを独占的に提供する契約をすでに獲得した、と同社の共同創業者ゲイブ・シブリーCEOは話した。

 同氏によると、同社のシステムは、プラムやサクランボ、リンゴ、タマネギ、ニンニク、モモ、そのほかいくつかの作物にも応用可能だ。「いろいろ検証した結果、固定された基盤設備を持つ作物が適していることがわかった」「2021年には、毎日そして一日中、1000時間単位で稼働するにまで成長した」。

 同社のラース・モデルは、機械視認(computer vision)とGPS誘導、人工知能、土壌&植物科学を組み合わせ、同社が「マルチ・アクション(multi-action)」技術と呼ぶところの単一農機多機能化が特徴だ。

 ほとんどの農業用ロボット(自動農機)は一般に、1種類のロボットが1種類の作業しか実行できない。しかし、同社のラースを活用すれば、散布と除草を同じ機械で自動化でき、近い将来には、異物(石類)除去や収穫も一つの自動農機で実行できるようになる。

 同社の製品は、トラクターの後部に取り付ける6列または12列の装置とソフトウェア、検知器、機械視認カメラ、周辺機器で構成される。レーザー除草と散布の作業なら1時間あたり最大4.2エイカーをカバーできる。

 農機に取りつけられた照明とカメラ・システムは、リアルタイムで植物を識別して指標を作成し、車載インターフェイスを介して農家に最新情報を提供する。それと同時に、検知器とカメラを使って農場のデジタル・ツイン(digital twin=物理的事象をデジタル環境で模擬的に再現することを意味する概念)を構築し、農家がミリ単位の精度で追跡できるようにする。

https://agfundernews.com/verdant-robotics-unveils-multi-action-tech-for-specialty-crops-spraying-weeding