Monday, February 28, 2022 9:42 AM

アノニマス、ロシア政府に宣戦布告

 「アノニマス(Anonymous)」と名乗る国際ハッキング集団は、ロシアのウラジーミル・プーチン政権を目の敵にしている、と2月24日深夜に「@YourAnonOne」からツイートしたのち、ロシア政府のウェブサイト群にディードス(DDoS=distributed denial-of-service)攻撃を継続的にしかけ、27日、ロシア政府に対するサイバー攻撃の犯行声明を出した。

 ガーディアン紙によると、クレムリン(ロシア大統領府)とロシア国防省のウェブサイトは28日になってもダウンしたままで、ロシアの国策ニュース・サイト「ロシア・トゥデイ」にもアクセスできない状態だ。

 そのほか、CNNによると、ロシア語の複数の報道サイトもハックされ、ロシア批判のメッセージが表示されている。その一つには、「親愛なる(ロシア)市民の皆さん、私たちは、(プーチンの)狂気を止めるよう強く求める。あなたの息子や夫を死なせないでほしい。プーチンは私たちに嘘をつかせ、危険にさらしている」と、フォーブス・ロシア(Forbes Russia)やフォンタンカ(Fontanka)、ターキー・デラ(Takie Dela)のウェブサイトにロシア語で書かれている。

 アノニマスはまた、ロシア国防省のデータベースとロシア国営テレビのチャンネルをハックし、ウクライナを支援するコンテントを投稿した、と27日に主張した。

 「われわれは現在、ロシア連邦に対する作戦に参加している。われわれの標的はロシア政府だ」とアノニマスはツイートした。

 アノニマスはさらに、「プーチンによる監視からロシア国民を解放し、ロシア国民に情報を伝えられるよう活動している」と主張し、ロシア政府へのサイバー攻撃を今後も継続する、とツイートした。

 ただ、一連の対露サイバー攻撃が本当にアノニマスによるものがどうかは断定できない、とジェイミー・コリアー氏は指摘する。同氏は、米サイバーセキュリティー会社マンディアントのコンサルタントだ。同氏によると、「標的にされた組織は、ハッキング被害に関連するデータを公開したがらないため検証できない」。

 しかし、アノニマスには、政府機関を攻撃した実績があり、能力と意図という観点では、アノニマスによる攻撃の可能性は高い。アノニマスは過去に、CIAやサイエントロジー教会、イスラム国をサイバー攻撃したことがある。

 アノニマスは、2010年代初頭に米国で多くの逮捕者を出して一気に衰退したが、白人警官による黒人容疑者暴行死で大きく報じられた2020年5月のジョージ・フロイド事件後に活動を再開した。

 ロシア政府は、サイバー攻撃を受けたことを否定している。

https://www.theguardian.com/world/2022/feb/27/anonymous-the-hacker-collective-that-has-declared-cyberwar-on-russia

https://www.cnn.com/europe/live-news/ukraine-russia-news-02-28-22/h_f0bcc337c77853255a2f250f0a6739f8