Friday, April 01, 2022 3:13 AM

アップル、法人向けサブスクリプション・サービスを発表

 アップル(Apple)は3月31日、法人向けの新たなサブスクリプション・サービス「ビジネス・エッセンシャルズ(Business Essentials)」を発表した。同社が企業向けサービスを提供することはめずらしい。

 CNBCによると、ビジネス・エッセンシャルズは、アイフォーンやアイパッド、マックを使う会社の従業員らに各種のソフトウェアの実装や設定、アプリケーション管理といった支援サービスを提供する。

 同サービスの利用料金は、従業員一人あたり月額2.99ドルから24.99ドル。たとえば、管理職やIT管理者らが業務用アプリケーションの実装やアクセス・コード規則の設定、紛失端末の追跡や機能停止、クラウド・ストレージへのアクセス権設定やその管理といった作業を支援する。高額サービスでは、アップル・ケアのクレジットが利用者に付与され、アップル・ストアーでの修理を受けられるようにする。

 アップルは近年、端末販売事業への依存を小さくするためにサービス事業、特にサブスクリプション事業の拡充に注力している。継続的課金による収入源を拡大することで収入安定化を図るものだ。機器類販売事業は季節要因と景気に左右される。それに対しサブスクリプション事業は安定性が高い。

 同社のサブスクリプション事業は、アップルTV+やフィットネス+を中心に急成長を続けており、2021年には前年比27%増の684億ドルを売り上げた。

 ビジネス・エッセンシャルズは、アップルの企業市場開拓強化や、多くの会社がハイブリッド労働体制での合理化に重点を置くようになったことを反映した新製品だ。

 アップルは、消費者市場に重点を置く方針を創業以来維持しているが、法人市場の商機が明確かつ急成長する場合には、企業向け事業を展開することがまれにある。

 アップルによると、ビジネス・エッセンシャルズはまた、マイクロソフト・アジュールやグーグル・ワークスペイスと統合され、顧客会社らが独自に管理するログイン情報で個々の利用者らがそれぞれの端末にログオンできるようにする。

 ビジネス・エッセンシャルズは、大きなIT管理部署や専門のIT管理担当者を置かない中小企業を標的市場とする。アップルは同サービスの対象利用者数に制限を設けていないが、従業員500人以下の会社向けに設計した、と説明した。

https://www.cnbc.com/2022/03/31/apple-launches-business-essentials-as-part-of-subscription-push.html