Tuesday, April 05, 2022 6:49 AM

ルシッド、「エア」にロームのSiC MOSFETを採用

 新興電気自動車(EV)企業ルシッド・グループ(Lucid Group、カリフォルニア州)は、次世代高級EVセダン「ルシッド・エア」にパワー半導体大手ローム(京都市)のSiC MOSFET「SCT3040K」および「SCT3080K」を採用した。

 ロームのプレスリリースによると、「エア」のメイン車載充電ユニットは、DC-DCコンバーターと双方向車載充電器(OBC)を備えており、ロームのSiC MOSFETにより高いスイッチング周波数で動作できるようになる。これらのSiC MOSFETは、サイズと電力損失を低減し、高い充電効率を実現する。

 ロームのCSO兼経理本部長を務める伊野和英常務執行役員は「ロームは今後もSiCデバイスのラインナップを強化し、エアに搭載されている充電システムなど、次世代自動車の技術革新に貢献するパワーソリューションを提供していく。間もなく追加される新製品には、デバイスのパフォーマンスを最大化するゲートドライバーICが含まれる」と話している。

 ルシッドは2021年10月、高い需要の中で「エア」の販売を開始した。「エア・グランド・ツーリング」は、容量112kWhの電池パックで516マイルの航続距離(EPA公式評価)を提供し、業界をリードする1kWh当たり走行距離4.6マイルの効率を実現している。

  一部の「エア」モデルは、DC急速充電器に接続すると約22分で300マイル分の電力を充電できる。ロームのSiC MOSFETは高速スイッチング周波数と高い動作温度で最大19.2 kWのAC充電を可能にし、1時間当たり最大80マイルの航続距離を追加する。

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