Monday, April 25, 2022 11:10 AM

新たなソーシャル・メディアが台頭か

 写真を加工せずありのままの生活の姿を投稿するよう促す新興ソーシャル・メディアのビーリアル(BeReal)は、若い世代の利用者たちを集めている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ビーリアルの利用者らには、1日を通じてほぼ無作為と思われるタイミングで、「ビーリアルする時間(Time to BeReal)」と書かれた通知が送られる。その通知を着信すると2分間のカウントダウンが始まり、利用者らはその2分間に自分の写真を撮って投稿するよう奨励される。

 ビーリアルの利用者の一人であるロサンゼルス在住の工学者ケヴィン・リー氏(27歳)は、朝、目が覚めたばかりでベッドから出ていないうちに通知を受けることもあり、「ひどい顔をしているが、とにかくやってしまう」と話す。

 同アプリケーションは、アイフォーンとアンドロイド・スマートフォン向けに提供されている。調査会社のセンサー・タワー(Sensor Tower)によると、過去2年間で680万件近くダウンロードされてきた。若い世代で注目されており、特に大学生に人気がある。また、調査会社のアップトピア(Apptopia)によると、現行利用者らのほとんどは2022年に入って使い始めた人たちだ。

 インスタグラムやティックトックは画像をさまざまに加工できる楽しさを打ち出して利用者を集めてきたが、ビーリアルは写真加工ツールをまったく提供しておらず、写真を加工することも認めていない。とにかくすばやく撮影して、そのまま公開するという方針が、Z世代(Generation Z=1990年代中盤から2000年代中盤に生まれた人たち)に受け入れられている。

 アイルランドに住むネイサン・キャレー氏(22歳)は、大学の友達から聞いて3週間前に使い始めた。友達がテレビを見ている様子や夕食を食べている様子といったごく普通の生活の姿が見られるのがおもしろいと話す。

 ほかのおもなソーシャル・メディアと異なり、ビーリアルには広告がなく、フォロワーの人数も表示されない。また、ほかのユーザーの投稿を見るには、自分がまず写真を投稿しなければならない。通知を受けてから投稿するまでに時間がかかった場合は、ほかの人の投稿を見られる時間が短くなる。すべての投稿は、次の通知が発信された時点でリセットされる。実際の生活をリアルタイムで友達と共有することがビーリアルのねらいだ。

 ビーリアルが一過性の人気で終わるのか、それともソーシャル・メディアとして定着するのかどうか、これから注目されるところだ。

https://www.wsj.com/articles/why-bereal-a-social-media-app-with-no-photo-filters-is-attracting-gen-z-11650456491?mod=tech_lead_pos5