Wednesday, April 27, 2022 11:50 AM

ジッペディ、小売店内の在庫案内ロボットを開発

 小売業向け人工知能およびロボティクス新興企業のジッペディ(Zippedi、カナダのノヴァ・スコーシャ拠点)は、実店舗内の商品在庫を把握してすばやく取りに行けるようにするためのロボットを開発した。

 テッククランチ誌によると、同社は、実店舗の地理的利点を活かして「最後の1マイル(Last Mile)」の配達を効率化することを目指している。最後の1マイルとは、中継場所から最終目的地までの枝葉末節の部分を象徴的に指す概念を表わす慣用表現。

 同社が開発した在庫管理ロボットは、商品在庫状況を把握してデジタル・ツインを作成し、ドアダッシュ(DoorDash)のような配達サービスによって注文品を店内からすぐに集められるようにする。

 ジッペディは、最終的には拡張現実(AR)も取り入れる計画だ。現時点では、注文品のリストを見て、もっとも効率の良い順序で商品を取りに行くための案内をすることに特化している。近年、オンライン販売と実在店舗の機能を融合させる小売会社が非常に増えている。実在店舗でのオンライン購入品引き渡しや返品受け付けといったサービスを提供する小売店は非常に多い。

 そのため、実在店舗における顧客対応やオンライン受注処理の仕事が複雑化かつ煩雑化する傾向にある。ジッペディのロボットはそういった課題の解消に貢献するとみられる。

 また、人手不足も重なり、小売業界では現場作業の効率化や自動化がさらに求められている。そういった商機拡大傾向を受けて、同社は4月26日、トランスポーズ・プラットフォームが率いたシリーズAの資金調達ラウンドで1250万ドルを調達したことを明らかにした。ジッペディは、2021年9月にはシード・ラウンドとして690万ドルをグレップVC(Grep VC)から調達している。

 ジッペディ創業者のルイス・ヴェラ氏は、小売関連の技術を開発する会社を1990年代から起業してきた。ジッペディは同氏にとって3社目の起業だ。

 同社は、ヴェラ氏の母国であるチリで大手ホーム・センターと提携して試験運用を進めている。

 小売店は薄利の業界であるため、ジッペディでは、小売店に品物を納入する消費財メーカーらとコストを折半する手法を模索している。

 「われわれは現在、ユニリーバやSCジョンソン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ペプシ、コルゲートといった世界的な消費財ブランド大手らと協議している」「メーカーらに価値をもたらす方法はすでに考案済みだ。今後はそれを米国市場に持ち込みたい」とヴェラ氏は述べた。

https://techcrunch.com/2022/04/26/zippedi-is-using-robots-to-digitize-inventory-for-last-mile-delivery/