Friday, July 08, 2022 11:30 AM

メモリー・チップの価格が下落

 メモリー・チップの価格は、新型コロナウイルス・パンデミック期に急上昇を続けたが、最近では高需要期の終焉を示唆する水準まで下がっている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、主要メモリーの一つであるDRAMの平均契約価格は、2022年第2四半期に前年同期比10.6%下落し、2年ぶりの大きな下げ幅となった、と台湾の市場調査会社トレンドフォースが報告した。DRAMの価格はこれからさらに下ると予想される。

 DRAMの価格は、2021年秋をピークに四半期ごとに下がっているが、それでも最近までは前年同期より高い水準で推移していた。

 メモリー・チップの価格低下は、近年の高需要と価格高騰によって活況した半導体業界にとって、業界景気減速の兆しといえる。パンデミックは、パソコンや各種の機器類、オンライン活動を支えるデータ・サーバーの需要を刺激し、その結果、チップの需要も押し上げてきた。それにともなってチップ不足が世界規模で起こった。

 メモリー・チップは、自動車からスマートフォン、冷蔵庫まで、あらゆる製品に使われている。市場調査会社ガートナーによると、メモリー・チップは、マイクロプロセッサーや画像検知チップを含む595億ドルの半導体市場の約28%を占める。

 2021年の半導体業界の年間売上高上位4社のうち、3社はメモリー・チップ・メーカー(韓国のサムスン電子とSKハイニックス、アイダホ州ボイズィーに本社を置くマイクロン・テクノロジー)だ。

 トレンドフォースのデータによると、NANDフラッシュと呼ばれるもう一つのおもな種類のメモリーは、過去2年間に価格が変動していた。フラッシュ・メモリーの二つの工場で汚染問題が発生し、一時的に供給が急減したのち、2022年初めにはふたたび戻った。

 かたや、世界のメモリー売上高のほぼ5分の3を占めるDRAMの価格は、この数ヵ月のあいだに年率換算で低下に転じた。これからさらに低下すると見込まれる。

 トレンドフォースでは、2022年第3四半期のDRAMの平均契約価格が前年同期比21%下落し、同時期のNANDフラッシュ・メモリーの価格は約18%低下する、と予想する。

https://www.wsj.com/articles/memory-chip-prices-fall-from-pandemic-highs-11657194553?mod=tech_lead_pos2