Tuesday, July 12, 2022 11:50 AM

メタ、人工知能基盤の知識管理ツール「スフィア」を市場投入

 メタ・プラットフォームス(Meta Platforms、旧フェイスブック)は、いわゆるフェイク・ニュース時代の到来に一役買ったことで悪名高くなったものの、汚名を返上すべく、努力を続けている。

 テッククランチ誌によると、同社はその一環として、オープン・ウェブ・コンテントを土台とする人工知能知識ツールによって情報源の裏取りを自動化する。

 7月11日に公表されたスフィア(Sphere)と呼ばれるその新ツールを採用する最初の顧客となったのは、オンライン百科事典のウィキペディア(Wikipedia)だ。ウィキペディアは、書き込まれた情報源(出典)をスフィアによって自動スキャンし、その引用内容が強く支持されているか弱く支持されているかを識別する。

 ウィキペディアには、650万件のエントリーがあり、月間平均1万7000件の情報(記事、書き込み、更新)が追加されている。

 ウィキペディアを運営するウィキペディア財団(Wikimedia Foundation)では昨今、蓄積されたデータをてこ利用する新たな方法の模索に注力している。6月には、最初の商業顧客としてグーグルとインターネット・アーカイヴを獲得した。それら2社は、ウィキペディアを土台とするデータ活用システムを社内向けに運用している。

 ウィキペディアでは、そういった商業顧客をこれから増やしたい考えで、そのためには、同プラットフォームで提供される膨大な量の情報内容の正確さや正当性を利用会社らに証明する必要がある。そこで、スフィアを使って出典や内容を自動検証し、信頼性を高めようと図る。

 メタは近年、偽情報拡散道具として世間からたたかれてきた。その悪評ぶりは、「フェイスブック刑務所(Facebook jail)」という言葉ができたほど。フェイスブック上での誤情報や偽ニュースの被害にあうことを意味する造語だ。同社は、フェイスブック刑務所現象の歯止めの一助としてスフィアのような対策を強化する姿勢だ。

https://techcrunch.com/2022/07/11/meta-launches-sphere-an-ai-knowledge-tool-based-on-open-web-content-used-initially-to-verify-citations-on-wikipedia/